茶道はおもてなしの心や伝統作法など日本の美しい心得を表現できる伝統文化で、日本人はもちろんのこと、外国人にも人気があります。
学生の頃に茶道を体験した方や、友達に誘われてお茶会に参加した経験をもつ方も多いのではないでしょうか。
中には茶道に興味を持ちながらも、「何から学んだら良いのか?」「茶道に関わる仕事はあるのか?」と悩んでいる人がいるかもしれません。
これから茶道を始めてみたいと考えている人に向けて、茶道家になるためにはどうしたらいいのか?茶道に関わる仕事には何があるのかなどを紹介いたします。
「茶道」とは、亭主が客人にお茶をたて振舞い、客人は亭主のおもてなしを受け、お茶をいただく日本の伝統的な様式です。
お茶の点て方、いただき方、座り方、礼の仕方、立ち方、歩き方の動作に様々な決まりがあり、これらを作法といいます。
茶道の作法には、日本のおもてなしの心や感謝の気持ちが詰まっています。
お茶を通じてゆったりとした時間を感じ取り、人との交流を楽しむことができる素晴らしい文化です。
仕事などで忙しい日々を過ごしている人も、茶道を通じてゆっくりお茶を楽しめると同時に、おもてなしの心を思い出すきっかけにもなるでしょう。
茶道家を名乗るために資格が必要ということはありません。
しかし茶道は奥が深く、茶道の動作や道具の使い方、作法など一つ一つに意味があるため、しっかりと理解をしておいた方が良いでしょう。
茶道を仕事にするためには基本的な知識はもちろん、流派の違いなども知るする必要があり、専門的なことを理解するためにも勉強が必要です。
茶道の勉強をする場合、道場などで弟子入りをして学んでいく方法がありますが、一人前になるには10年以上の時間がかかります。
まずは勉強してみたいという人や、茶道の世界を知ってみたいという人は、通信講座による勉強もおすすめです。
通信講座の利用は短期間で勉強ができ、道場などに通う必要もありません。
茶道家はどのような場所で活躍できるのでしょうか?
勤務先によって活動内容や年収は異なるため、どのような仕事内容なのか、年収はどのくらいになるのかをそれぞれ説明していきます。
茶道家として活動できる主な場所は以下の通りです。
それぞれの活動内容と年収を解説していきます。
茶道家が活躍できる場所のひとつとして「茶道教室」が挙げられます。
茶道教室では茶道についての心構えやおもてなしの心、茶道具の使い方、お茶の立て方、お辞儀の仕方や歩き方などを教えたり指導したりするのが仕事です。
主に社会人になって茶道に興味をもった方々に教えることが多く、学校の課外学習などで茶道を学ぶ学生に教える機会もあります。
また、最近では日本文化に興味を持った外国人に茶道を教えることもあるでしょう。
海外の方々に日本の伝統やおもてなしの心、美しさを知ってもらえるきっかけを作れる職業とも言えます。
茶道家の年収は個人活動のため人によって大きく異なりますが、350万〜960万程度と言われています。
ホテルや旅館によっては茶室が併設されており、サービスのひとつとして茶道体験ができるようになっています。
茶室が併設されたホテルや旅館では茶道体験の講師として活動し、茶道の楽しさを広める活動ができるでしょう。
こうした宿泊施設での茶道では、お客様が気軽に楽しめるような空間づくりをするのが大切です。
日本人旅行客もいますが、こうしたサービスは海外の旅行客からも人気があります。
簡単な英会話を交えれば、さらに日本を身近に感じてもらえるでしょう。
年収はホテルや旅館が求めるスキルや勤務形態によっても異なりますが、250万~470万程度になります。
茶道家は日本料理店、カフェなどでも活躍できます。
抹茶を提供している日本料理店やカフェでは、お茶を立てたり、抹茶を楽しんでもらえるメニューを考えたりすることもあります。
飲食店で働く場合はお茶を立てるだけではなく、接客や食事の提供業務、掃除など幅広い業務を行う場合があり、臨機応変な対応が求められます。
お店や業務形態によって年収は異なりますが、年収は200万〜400万程度になる場合が多いでしょう。
茶道家として活動していく中でやりがいになるのは、多くの人に日本の伝統文化を伝えられることです。
茶道は日本が大切にしてきた「おもてなしの心」や「感謝」の気持ちが詰まっています。
日本人はもちろん、世界中の人に茶道を通して日本の良さを知ってもらい、日本の伝統文化に興味をもってもらえるでしょう。
技術の進化により新しい製品が次々に生まれ便利な時代になっていく一方で、元々大切にされてきたものや思想がなくなりつつあります。
もちろん変化することや新しいものが悪いわけではありませんが、昔からある大切な伝統文化や古くからの気持ちを忘れてはいけないのです。
茶道家は忘れてほしくない日本文化と思いを継承し、後世に残していく大切な職業なのです。
茶道家になるための資格はいくつかあり、その中でも代表的な資格は以下の3つです。
それぞれどんな資格になるのかを説明していきます。
茶道の流派である表千家や裏千家は、千利休を祖とする茶道の流派のひとつです。
「裏千家」は茶道の代表的な資格で、現在では資格制度ができており、階級は「初級→中級→上級(助講師)→講師→専任講師→助教授」となっています。
資格の取得の仕方は、まずは師匠に弟子入りするところから始まります。
資格を受ける際に師匠から「許状」と呼ばれる許可証が渡され、一定の許状を修得することで「資格」が手に入る仕組みになっています。
茶道を本気で学びたい人、流派の専任講師や助教授を目指したい人は、裏千家に入門しても良いでしょう。
しかし、資格取得には厳しい審査があり時間もかかるため、初心者が気軽に始めるにはハードルが高い資格とも言えます。
茶道の代表的な資格に「お点前インストラクター」があります。
こちらは日本インストラクター技術協会(JIA)が主催する民間資格で、茶道に関する基本的な知識を有していることが証明されます。
受験資格は誰にでもあるため、道場に入り師匠に弟子入りする必要はありません。
自宅やカルチャースクールなどで講師活動を行いたい方、これから茶道に対しての知識を身につけたい初心者の方にもおすすめの資格です。
茶道の資格に「茶道アドバイザー」という資格もあります。
茶道アドバイザーは日本生活環境支援協会が主催する民間資格になります。
こちらも、許状をもらう必要や師匠に弟子入りする必要はなく、誰でも受験できる資格です。
茶道の心得や茶道具の使い方、お茶やお菓子の頂き方、お茶の歴史、季節茶事の形式など茶道に関する様々な基礎知識を有している人に認定されます。
茶道について初心者からでも詳しく学びたいという人にはおすすめの資格です。
茶道家として活動する際、資格は不要ですが茶道を行うための正しい心構えと知識が必要です。
茶道家を目指すなら、茶道教室に通い、流派や作法などを学びながら資格取得を目指すのが一般的です。
厳しい修行や審査が必要な資格は、初心者にはハードルが高すぎるため、まずは誰でも挑戦しやすい以下の2つの資格取得から始めてみましょう。
お点前インストラクターとして活動したいと考えている方、茶道に関する仕事をしてみたい方にはこちらの資格がおすすめです。
茶道に必要な道具や茶道具の使い方、畳の歩き方、掛け物の見方、お点前の方法など、茶道に関する幅広い知識を有する証明になります。
茶道に必要な知識は身に着けられるため、将来的にインストラクターとしても活動していきたいと考えている人にもおすすめです。
以下は、お点前インストラクター資格の内容です。
受験料 | 10,000円(消費税込み) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
申込方法 | インターネットからの申込み |
また、試験日程は以下のようになっています。
資格検定試験 | 年に6回開催2月、4月、6月、8月、10月、12月 |
申込期間 | 試験実施月の1ヶ月前(1日~末日まで)例:12月開催の試験に申し込む場合11月1日~30日までに申し込む |
試験期間 | 実施月20日~25日(期間6日間の間に受験すること) |
答案提出期限 | 実施月の30日まで |
合格発表 | 実施月の2カ月後10日例:12月に受験の場合2月10日が発表日 |
試験は年に6回開催され、自分が勉強を始めたタイミングに合わせて試験日を選べるため、時間の無駄がなく資格取得に挑めます。
初心者や茶道のアドバイザーとして活動を考えている方には「茶道アドバイザー」の資格がおすすめです。
お茶とお菓子の頂き方から、お茶の発展について、懐紙や帛紗などの基本的な茶道具の使い方、薄茶や濃茶などのお茶の種類、茶道の心得、茶会での役割やお茶席での作法など茶道で必要な知識があることの証明になります。
茶道に興味を持った方にも、アドバイザーとしての活動を考えている方にも役に立つ資格でしょう。
茶道アドバイザーの試験内容は以下の通りです。
受験料 | 10,000円(消費税込み) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
申込方法 | インターネットからの申込み |
また、試験日程は以下の通りになっています。
資格検定試験 | 年に6回開催2月、4月、6月、8月、10月、12月 |
申込期間 | 試験実施月の1ヶ月前(1日~末日まで)例:12月開催の試験に申し込む場合11月1日~30日までに申し込む |
試験期間 | 実施月20日~25日(期間6日間の間に受験すること) |
答案提出期限 | 実施月の30日まで |
合格発表 | 実施月の2カ月後10日例:12月に受験の場合2月10日が発表日 |
こちらも年に6回の開催となっており、自分の都合に合わせて試験が受けられます。
基本的にはお点前インストラクターと同様の日程で行われます。
茶道は道場や教室に通い教わるイメージがありますが、最近では通信講座で茶道の勉強が可能です。
諒設計アーキテクトラーニングとSARAスクールジャパンでは「お点前インストラクター」「茶道アドバイザー」の2つの資格が取得できます。
初心者の方、仕事や家事で忙しく茶道教室や道場には通えない方にもおすすめです。
諒設計アーキテクトラーニングとSARAスクールジャパンの通信講座は協会認定となっており、試験免除で資格取得が可能なコースがあります。
諒設計アーキテクトラーニングでは、茶道の基本知識が身に着けられる「お点前インストラクター」「茶道アドバイザー」の2つの資格が取得できます。
予算や資格取得の目標に合わせて「基本講座」と「スペシャル講座」の2講座を用意しています。
基本講座の内容は以下の通りです。
対象となる資格 | お点前インストラクター 茶道アドバイザー |
受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6カ月(最短2カ月) |
添削回数 | 添削5回試験に合格で2つの資格取得可能 |
基本講座は受講料が安くなっていますので、費用を安く抑えたい方におすすめです。
試験は自身で申し込む必要があり、合格すれば2つの資格を取得できます。
スペシャル講座の詳しい内容は以下の通りです。
対象となる資格 | お点前インストラクター 茶道アドバイザー |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6カ月(最短2カ月) |
添削回数 | 添削5回+卒業課題1回(試験免除で2つの資格取得) |
基本講座に比べて受講料が高いですが、基本コースを受講しそれぞれ受験申し込みをした際と同じ金額になります。
試験免除で確実に2つの資格が取得できるため、試験を受験している時間がない方や確実な合格を目指している方はこちらがおすすめです。
SARAスクールジャパンでも、自宅で勉強しながら「お点前インストラクター」「茶道アドバイザー」の2つの資格が取得できます。
こちらも「基本コース」と「プラチナコース」の2つが用意されています。
基本コースの内容は以下の通りです。
対象となる資格 | お点前インストラクター 茶道アドバイザー |
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受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6カ月(最短2カ月) |
添削回数 | 添削5回 |
受講料を抑えたい人はこちらの基本コースで学習し、資格試験の合格で2つの資格を取得できます。
プラチナコースの内容は以下の通りです。
対象となる資格 | お点前インストラクター 茶道アドバイザー |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6カ月(最短2カ月) |
添削回数 | 添削5回+卒業課題1回(試験免除で2つの資格取得) |
プラチナコースでは基本コース修了後の卒業課題提出を以て、試験免除2つの資格取得が可能です。
費用を抑えたい人は「基本コース」を、確実に資格取得を目指したい人は「プラチナコース」を選ぶと良いでしょう。
プラチナコースなら短期間で確実に資格取得ができるため、始めから資格取得を目標にしている方はこちらを選択することをおすすめします。
茶道家は日本の伝統文化を伝える大切な職業で、茶道教室で講師活動を行う他、日本料理店など飲食店でも活躍の場があります。
多くの人に日本のおもてなしの心や感謝の気持ち、伝統文化を教えることができるためやりがいのある仕事になるでしょう。
茶道の知識を身に着けることで、普段から美しく凛とした立ち振る舞いができます。
自分の気持ちや仕草に変化が出るため、品があり美しい人だと周りからも評価を得られるでしょう。
また、茶道は歳を重ねても楽しめ、年齢関係なくすべての年代の人たちとの交流するきっかけづくりにもなります。
これから長く楽しんでいける趣味としても茶道資格はおすすめです。
同時に2つの資格を取得できる通信講座もありますので、茶道を学んでいきたいと考えている方は是非、資料請求から一歩を踏み出して和の心を感じて下さい。