家具や置物などを自分の手で製作するDIYは、近年だとテレビやネットで取り上げられる機会が多く、幅広い世代で自分も挑戦してみたいという人が増えています。
そんな中、DIYの基礎的な部分を教えられるDIY職人の需要が高まっており、販売員や指導者として様々な現場で活躍しています。
本記事ではDIY職人について、仕事における資格の必要性や主な勤務場所、スキルが証明できる代表的な資格などをまとめました。
DIYとは、「Do It Yourself」の略で直訳すると「自分でやれ」という意味です。
現代では、専門業者ではない人が何かを制作する行為や、制作した物を指す意味として使われています。
戦後の日本では趣味の一環で住居や家財の整備を行う日曜大工をする男性が多くいましたが、近年では呼び方がDIYに置き換わり、男女年齢問わず行っています。
DIYで制作・修繕すれば、通常は販売されていないサイズの物を制作できたり、全体的な費用が専門業者へ依頼するよりも安価に済んだりするため、人気を集めているのです。
しかし、DIYで本格的な制作・修繕を行う場合は電動工具や塗装用のペンキなど、普段は手にしないような専門的な道具を使用する可能性があります。
また、物の特性や設置する場所によっては、安全法や建築基準法に引っかかる可能性があるので、手作りしていい範囲の見極めが必要になってきます。
そのようなDIYにおける専用道具の使い方に理解があり、正しく安全にDIYを行える知識を実践・指導できるのがDIY職人です。
DIY職人として活動する場合は、制作物や指導内容にもよりますが、道具の安全性や関連する法令規制は知識として必要な部分です。
しかし、DIYの知識やスキルについて証明できる物がないと取引先やお客様から信頼を得るのが難しく、制作物や指導内容の安全性も疑われてしまう可能性があります。
そのため、DIY職人を仕事にする場合は、資格が必須でなくても、知識やスキルを明らかにできる資格を所持しておいた方が良いのです。
DIYの知識の学習方法は、主に専門学校・大学、教室・スクール、通信講座などが候補になり、最終的に資格協会が行う試験を受験していきます。
専門学校・大学は、工業やデザイナー系の学校で電動工具の使用法などが身に付きますが、基本的に年単位での通学が必要になります。
DIYをきっかけに大工やデザイナーを目指す人には適していますが、DIYデザイナーを目指す人や仕事を続けながら取得する人には、少し利用が難しい学習方法です。
教室・スクールは、近年だとDIYの実践講座も多数開講されていますが、資格取得向けの講座はあまり数がありません。
DIYの制作スキルは身に付いても、知識は別の手段で学習する必要があります。
通信講座は、DIY資格取得に向けた専用講座が開講されており、専門的な知識に特化して学習できます。
自分で学習時間を調整しながら進められる講座も多く、仕事を続けながら隙間時間の学習で無理なく取得できる学習方法です。
DIY資格の取得に関して言えば、通信講座の利用が学習範囲や取得までの環境的におすすめできます。
DIY職人の仕事は制作や指導が中心になりますが、どの程度知識やスキルを活用するかは勤務場所によって異なってきます。
ここではDIY職人の主な仕事内容や勤務場所を紹介します。
DIYに必要な材料や工具が販売されているホームセンターや工具店はDIY職人が活躍できる職場です。
販売業務においてはお客様が制作したい物に合わせた材料や道具についてアドバイスして、店舗によっては加工が難しい物をその場で自分が加工する業務があります。
また、近年のホームセンターでは、自宅でDIYしづらい人に向けたDIYスペースが用意される場合もあり、そのコーナーを任せられる人物として重宝されます。
年収は400万円前後が基準です。
道具の使用方法やDIYの具体的な制作物について教える教室も、DIY職人が知識やスキルを活用できる職場です。
ホームセンターよりも本格的なアドバイスをしていきますが、受講者の中には初心者がいる可能性もあるので、相手の知識レベルに合わせた指導が必要になります。
カルチャーセンターや自宅のスペースを開放して利用する他、先のホームセンターのDIYスペースを借りるなど、作業ができる場所であればどこでも開講できます。
年収は450万円前後が基準です。
近年ではネット上でDIYした制作物をフリマサイトや専用の販売サイトで販売できます。
そのため、DIY職人として販売に力を入れる道もあります。
DIY職人として名前が広まれば、自社サイトを立ち上げて販売や依頼による加工を請け負って制作するという活動も可能です。
年収は制作できた数と売上に左右されるため、正確な金額を提示するのは難しいですが、場合によっては上記の仕事よりも稼げる可能性はあります。
一方で、制作には材料費や時間が必要であり、実際に売れ行きが伸びるまでは期間を要します。
ですので、上記の仕事をやりながら副業として制作物の販売を行う人もいます。
DIYの職人として活動していく上でやりがいとなるのは、自分の実力から仕事の実績や指導の成果を実感できるところです。
DIYに関する知識は様々な方法で学習できますが、実際の制作や他の人へ指導する時は、自分の発想や工夫も重要な要素になります。
そのため、制作物では自分の発想や工夫が表現できたと実感できる喜びがあり、指導でも受講者の感想や制作物から自分の努力を感じられるのです。
一方で、DIY職人としての活動を継続させていくためには、他の人の制作物や最新の道具をチェックしていく必要があります。
DIYが世間的に広まっていく中で、素人でも創意工夫した制作物や需要に対応した新しい道具は次々と登場しています。
そんな時に知識やスキルをアップデートできていないと、DIYの購入者や受講者が求めている商品やスキルを提供できない可能性も出てくるのです。
自分の発想や工夫は大事にしつつ、DIYに関する情報や道具には常に興味を持っておくようにしましょう。
DIYの製作や道具に関わる資格は協会や企業が発行しており、自分の製作スキルや講師として指導する際の能力などを証明できます。
DIY資格の中でも代表的な資格を紹介します。
DIYアドバイザー資格は、日本DIY・ホームセンター協会が発行している資格です。
協会ではDIY産業に行われる様々な活動を行っており、DIYアドバイザー資格の取得から、DIIYに関する作業方法や指導力を身に付けられます。
学科と試験が一体になった形式であり、7月から8月にかけて学科の一次試験、11月に実技の二次試験が行われます。
DIY工作アドバイザー資格は、日本生活環境支援協会(JLESA)が手芸・工作の資格の1種として発行している資格です。
JLESAでは、生活と仕事の双方で役立つ知識やスキルを証明する資格を取り扱っています。
DIY工作アドバイザー資格では、道具の使い方などの基礎知識に理解があり、使い方や製作手順を指導できる知識が身に付いていると証明できます。
日曜大工士資格は、日本デザインプランナー協会(JDP)がハンドメイド・クラフトデザインの資格の1種として発行している資格です。
JDPでは、デザイン技術に関するスキルが仕事で活用できるレベルであると証明する資格を取り扱っています。
日曜大工士資格は、日曜大工で使用する道具と材料の使い方や家具などの製作知識が身に付けていると証明できる資格で、DIYに共通して知識やスキルを活用できる資格です。
DIY職人は資格が必須の仕事ではありませんが、職人としての知識や制作物の安全性などを証明できないと、取引先やお客様から評価されない可能性があります。
いずれかのDIY資格を取得しておけば、プロフィールや制作物の紹介ページなどで知識やスキルを提示できるので、周りの信頼を得ながら活動できるでしょう。
DIYの代表的な資格の中から取得におすすめの資格を紹介します。
ホームセンター・工具店やDIY教室で仕事を始めようと考えている人には、「DIY工作アドバイザー資格」がおすすめです。
DIYに関する基礎的な知識やスキルが身に付いていると示せる資格なので、製作や道具についてアドバイスを行う機会が多い仕事に適しています。
基礎がしっかりしていれば、職人として実績を積んで制作物の販売にも移行できます。
以下は、協会が開催する資格試験の内容です。
受験料 | 10,000円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上 |
申込方法 | 協会の公式サイトの資格ページから |
また、試験日程は以下のようになっています。
資格検定試験 | 2ヶ月に1回開催 (2,4,6,8,10,12の1年に6回) |
申込期間 | 該当月の1ヶ月前の初日から末日まで 例:2月の試験の申し込みの場合は、1月1日から末日まで |
試験期間 | 該当月の20日から25日の6日間 |
答案提出期限 | 該当月の30日必着(2月のみ28日) |
合格発表 | 翌々月の10日 |
試験は1年のうち偶数月に開催されており、解答用紙の提出以外は申し込みから受験まで在宅で済ませられます。
希望する開催月に受験するには1ヶ月前から申し込む必要があるため、学習がある程度進んでいる人は、事前に申し込みをしておきましょう。
DIY教室や制作物の販売で仕事を始めようと考えている人には、「日曜大工士資格」がおすすめです。
材料・道具の使用方法と制作の基礎知識を体系的に証明する資格なので、実際に製作作業を行う現場で大いに活用できます。
以下は、協会が開催する資格試験の内容です。
受験料 | 10,000円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上 |
申込方法 | 協会の公式サイトの資格ページから |
また、試験日程は以下のようになっています。
資格検定試験 | 2ヶ月に1回開催 (2,4,6,8,10,12の1年に6回) |
申込期間 | 該当月の1ヶ月前の初日から末日まで 例:2月の試験の申し込みの場合は、1月1日から末日まで |
試験期間 | 該当月の20日から25日の6日間 |
答案提出期限 | 該当月の30日必着(2月のみ28日) |
合格発表 | 翌々月の10日 |
こちらの試験も公式サイトの申し込みから在宅受験できる試験であり、解答用紙は付属の返信用封筒に入れて提出します。
受験には年齢や特定講座の受講などの条件が設けられていないため、学習方法は自由に選べます。
おすすめした2種類のDIY資格には、資格を発行する協会認定の通信講座が用意されており、協会と連携したカリキュラムや教材で学習できます。
協会認定の通信講座利用で2種類の資格について同時に学習できるだけでなく、専用講座による試験免除を受けられるので、学習教材としておすすめです。
協会認定の通信講座となっている諒設計アーキテクトラーニングとSARAスクールジャパンについて紹介します。
諒設計アーキテクトラーニングでは「DIY工作アドバイザーW資格取得講座」で、2種類のDIY資格の学習ができます。
教材の基盤となる基本講座の概要は以下の通りです。
対象となる資格 | DIY工作アドバイザー 日曜大工士 |
受講料 | 59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
教材は資格協会が行った過去の試験を参照したテキストや練習問題になっており、初心者でもわかりやすいカリキュラムで学習を進められます。
資格試験は別途自分で申し込む必要はありますが、1つの講座から2つの試験に挑戦するための準備が整います。
一方、試験免除を受けられるスペシャル講座の概要は以下の通りです。
対象となる資格 | DIY工作アドバイザー 日曜大工士 |
受講料 | 79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回(資格試験免除) |
教材は基本講座の内容と共通していますが、追加の教材として資格協会が認定した卒業課題があります。
この卒業課題は受講期間の最後に提出するようになっており、提出だけで協会の試験を免除しながら、2種類のDIY資格が同時に発行されます。
協会認定でしか利用できない課題であり、申し込みや試験を受ける手間を省いて資格を取得できるのは大きなメリットです。
複数の資格を保有しておくと、プロフィール等に記載できる資格を増やせ、専門的な知識やスキルを深めているとアピールできるメリットもあります。
SARAスクールジャパンでは「DIY資格取得講座」で、2種類のDIY資格の学習が行えます。
教材の基盤となる基本コースの概要は以下の通りです。
対象となる資格 | DIY工作アドバイザー 日曜大工士 |
受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
教科書や添削課題により学習を進めていく形式です。
教材のテキストはDIY職人から監修を受けており、初めて学習する人でも身に付きやすい内容になっています。
受講期間中であれば専門スタッフが無料で何度でも質問に回答してくれるので、1人の学習でつまずいても解決できる手段があります。
試験免除を受けられるプラチナコースの概要は以下の通りです。
対象となる資格 | DIY工作アドバイザー 日曜大工士 |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回(資格試験免除) |
基本コースの内容に、資格協会が認定した卒業課題を追加した講座になります。
添削課題と卒業課題、質問制度は受講期間中であれば、利用するタイミングに制限はありません。
ですが、期間を過ぎると、いずれも利用できません。
6ヶ月の期間があれば十分学習が間に合うカリキュラムになっていますが、学習時間が確保できるタイミングで進めておく学習スタイルがおすすめです。
DIY職人はホームセンター・工具店の店員やDIYを指導する教室が主な仕事先になり、DIYにおける道具の使用方法や製作スキルをアドバイスしていきます。
また、DIY職人として名前が広まると、DIYした制作物をネットショップや自社サイトで販売する活動も視野に入ってくるでしょう。
仕事の中で常にDIYの最新情報を取り入れる必要はありますが、自分の発想や工夫が実感できるのは活動の大きなやりがいになります。
DIY職人として製作や指導を行いたい人は、協会認定の通信講座を活用して2種類のDIY資格を同時取得がおすすめです。
各通信講座で教材やカリキュラムの例がわかる無料の資料請求ができるので、資料を確認してから受講を検討してみてください。
最近、DIYというものが流行っています。DIYとは英語で「Do It Yourself」を略した言葉です。日本語では自分で行うという意味になっています。自ら部屋の床を張ったり、家具を使ったり、専門業者に頼まずに自分で行うことをDIYと言います。少し前のことでいうと日曜大工というものがありました。日曜大工という言葉から男性が行っているように思えますが、実は最近、女性が日曜大工を行っていることが増えています。この女性たちのことをDIY女子と呼んでいます。その流行もあり、DIYに関する資格が出ていることをご存知ですか?今回はDIYに関する資格を人気の資格徹底比較でご紹介します。